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頭皮鍼・・・頭のツボと刺鍼技術

 「頭皮鍼」あるいは「頭鍼」と「頭部に鍼をする治療」は何が違うかと質問を受けた事がある・・・独自の解釈は、主にツボの特性、脳の機能局在、臨床経験を基礎にした反射区などをベースにして、頭部のツボだけでなく、線や面でとらえたエリアを刺鍼することで、頭部だけに鍼をして治療するものが「頭皮鍼」「頭鍼」と呼ばれるもの。

 

 対して、古典由来の経脈の症状やツボの特性などから、定点的に主治療としても補助的にも刺鍼することがあるのが「頭部に鍼をする治療」ではないかと考えているが・・・言葉にこだわる必要はないというのが私の考えだ。

 

 頭には沢山のツボがあることに、一般の人には驚く人もいる。

 

 ざっくりと、髪際を基準に「頭髪に隠れたエリア」を頭部と仮定した場合、どのようなツボがあるかというと、風府、脳戸、強間、後頂、百会、前頂、顖会、上星、神庭、眉衝、曲差、五処、承光、通天、絡却、玉枕、頭臨泣、目窓、正営、承霊、脳空、頭維、頷厭、懸顱、懸釐、曲鬢、率谷、天衝、浮白、頭竅陰、翳風、瘈脈、顱息、角孫、和髎、耳門、聴宮、顖会など、ざっと書き出しただけでもこれだけある。

 

 頭部の定義を広げると、さらに加わることになる。

 

 補完的にもよく用いられることが多いツボには百会(ひゃくえ)がある。また、ツボの効能や効果を「穴性」などと呼ぶこともあるが頭痛や鼻の症状、精神疾患やストレス解消などに効果的とされているツボが頭には多い。

 

 頭部に鍼をするには、それにあわせた技術練習を積む必要がある。単にツボを狙って刺すといっても、1~2本で、主に補完目的の刺鍼であればまだしも、頭部は頭蓋骨と皮膚の間が非常に薄いため頭部の血流促進などで主治にする場合、多くの本数を用いるとなると患者さんに無駄な痛みを生じさせてしまうことがある。

 

 さらにパルスで低周波刺激を加えるとなると、部位によっては帽状腱膜にはある程度の深さと長さでしっかりと刺鍼する必要がある。その場合は、直刺または斜刺で切皮・弾入した後に帽状腱膜に沿って平刺して鍼を進める必要がある。

 

 頭蓋骨は平ではない部分も多く、凹凸の個人差が大きいこともあり、ある程度しっかりと鍼をするとなると、鍼の深度だけでなく鍼をすすめる方向の骨の隆起具合にも注意する必要がある。

 

 頭部に刺鍼する鍼治療に抵抗感を抱く人も、2回目から頭皮鍼が好きになる患者さんも少なくない。

 

 劇的な効果を見込める場合もあれば、主に脳疾患の後遺症や慢性化しているらしき症状や精神疾患などでは、効果が表れ始めるまでにある程度の反復治療と時間を要するものの、それなりの効果を上げていることも知られている。

 

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