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頭痛、目の疲れ・・・後頭下筋群に疑い

 頭痛、目の疲れ、首のコリの原因が後頭下筋群にあることが考えられます。

 

 後頭下筋群とは、首と頭をつなぐ主な4つの筋肉をさすことがあるもので、頭を後ろに傾けたり左右に回旋させるのが主な作用になります。また、平衡感覚の調整にもかかわっているとも言われています。

 

 首の後ろには僧帽筋、肩甲挙筋、板状筋などがあり、後頭下筋群はそれら筋肉のさらに奥(「表皮から深い部分」の意)にあるため、マッサージや触診など指で触知するのはほぼ不可能と言われています。

 

 そして、目や耳や後頭部から首にかけての領域を支配する神経が集まっている場所でもあるため、後頭下筋に疲労が溜まると、上層にある筋肉にも影響を及ぼすとともに神経を刺激すると、頭痛や目の疲労感や耳鳴りや眩暈などの症状があらわれると考えられています。

 

 原因として考えられることに姿勢不良(特にイスに座ってパソコンをする際の、首を前に出して背中を丸めるなどの姿勢)があると考えられています。

 

 鍼治療はマッサージとは違って、後頭下筋群を直接的に治療することができます。首の体操やお風呂などで温めるのも効果的ですが、痛めた直後は炎症を起こしている可能性もあるため、温熱は逆効果になってしまう可能性もあります。

 

 後頭下筋群の鍼治療は、鍼師の解剖学的知識とスキルと経験が試される部位でもあります。

 

 後頭下筋群を構成する筋肉までの皮膚面からの深度や各々の筋肉の起始停止の付着部の知識はもちろん、各々の筋肉を背部や側面から投影した際の筋層構造にも特徴があるため、刺入する位置や角度によっては目標とする後頭下筋に当たらないこともあります。

 

 そして、目的の筋肉に到達できたか否かの客観的確認方法を知っているかもポイントになります。

 

 超音波を使ってモニターで確認しながら刺鍼するのが間違いありませんが、患者さんに協力をしていただきながら確認する方法もあります。すなわち、そこまでしっかりやらないと効果の最大化を期待できないと筆者は考えます。

 

 首は多くの神経が走行している、とてもデリケートな部位です。また、外力に弱い部位でもあるため、マッサージなどでも特に注意が必要とされています。その点でも鍼は、余分な力をかけることなく直接的な刺激を与えることができる点で優れているのではないでしょうか。

 

 頭、首、目が同時に痛むような症状が慢性化しているようであれば、後頭下筋群への鍼治療を試してみてはいかがでしょうか。

 

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*リライト:2020年3月28日