五月病や心身の不調・・・東洋医学のすすめ

 五月病とは医学的な病名ではなく、5月のゴールディンウィーク後に憂鬱な気分や抜けない倦怠感、何となく気分が落ち込んだり、仕事に集中できないといった症状があらわれること。

 

 4月からの新たな環境への適応がうまくいかないなど、原因はさまざまだが、医学的には「軽度のうつ」「適応障害」に分類されることがあるという。

 

 特に今年のゴールディンウィークは過去に例のない10日間という長さもあってか、「五月病」をテーマにした枠を組むテレビのワイドショーも多く見られる。

 

 五月病は一言でいうと「心身の不調」のあらわれである。四月病を自覚していなかったり、しっかり対処できなかった人にも症状があらわれやすいといわれている。

 

 四月病と五月病の違いとして、自分自身が置かれた環境が必ずしも直接的な原因になるとは限らない四月病に対し、五月病の場合には直接的原因がほぼ自分自身にある(以前のブログ『「5月病」ならぬ「4月病」』)ことが多いと言われている。

 

 東洋医学は、こういった「不定愁訴」の治療を得意としている。

 

 「すっきりしない」「だるい」も含め、何となく気分が乗らない状態というのは、健康状態を保つための身体のバランスが乱れているためと考える。そこで東洋医学における重要な学説になるのが「陰陽学説」である。(このブログにおける東洋医学は、中国から伝わる伝統医学を意味する)

 

 陰陽学説についての説明は割愛するが、たとえば「右・左」「上・下」「明・暗」のように自然界は相対する関係の調和でなりたっているという自然哲学である。そして、人間も自然の一つであり陰陽の調和が整うことで病気にならないのであり、バランスを崩すと鍼灸などで復調させる。

 

 そして、病の重症化を予兆して治すことを「治未病」、陰陽のバランスを復調させることを中国医学では「陰平陽秘」などと呼んでいる。

 

 はり師やきゅう師の中でも、古典や中国医学を尊重して学んだり、治療の中に取り入れている先生でないと、効果的な治療ができない可能性がある。はり、きゅうには「古典派」「中医派」「現代派」など、考え方のベースが微妙に異なる。

 

 陰陽の考えによる治療は「古典派」「中医派」が得意とする分野。「現代派」の先生はどちらかといえば、筋肉・骨・神経といった解剖学や生理学を主軸においた治療を行うため、同じはり師、きゅう師にもかかわらず、陰陽学説を半ば馬鹿にするような人すら実際にいるぐらいだ。

 

 「古典派」「中医派」「現代派」の治療院は、どのように見分けると良いか・・・。それは、およそお店の看板やホームページで判別できるだろう。東洋医学を主体にする治療院のホームページには、中国っぽさ満載の独特な図版や書体を使い、治療院の紹介にも東洋医学についてのうんちくが、あちらこちらに飛び交っている事が多い。

 

 現代派の治療院のページの場合は、疾患の説明が難しい場合や刺鍼部位において、「ここの筋肉はツボでいうと」とか、「経絡」「気血の流れ」といったように、部分部分で東洋医学の言葉を用いる傾向があるように感じる。特にスポーツ系の場合には、患者さんで訪れる選手と一緒に写る写真を掲載したり、スポーツに関する話題を振りまく傾向がある。

 

 その点、チェーン店や多くの治療家をかかえる治療院の場合は、ハッキリ言って見分けが難しいし当たりハズレがある。

 

 なぜなら、医院長やチェーン店としての治療方針と個人のスキルがミックスされているためだ。治療院によっては症状に合わせて治療可を選んでくれるが、混雑具合やシフトによっては必ずではない。

 

 特に思い当たるきっかけがない「何となく」の体調不良は誰にでも起こること。気候と関係があるとされる「気象病」や「天気痛」なども、見方によってはまさに東洋医学でいうところの自然哲学的な調和の乱れとも捉える事ができる。

 

 スッキリしなかったり、だるさが残っていたり。いわゆる「何となく」の症状があらわれたら、はり・きゅうの治療を受けてみていただきたい。

 

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