骨盤矯正のとらえ方と施術方針

 ”骨盤矯正”や”骨盤サポート”という言葉を巷で頻繁に見かける。

 

 医療関係者にも「骨盤矯正なるものはただの宣伝文句」という人もいれば「サポーターやベルトが効果的」という人や大手企業の製品にもあったりで、見解がわかれるのが実情ではないだろうか。

 

 すこし話が脱線するが骨盤矯正と呼ばれるものの施術対象とされるひとつに仙腸関節がある。現代医学をもってしても、近年までは「動かない」との認識があったが、現在はわずかに動くというのが一般的な認識になっている。

 

 「画像検査ではほとんど判らない程度の3~5mmのわずかな動きを有しています(原文抜粋)」との見解を示しているのは日本仙腸関節研究会(www.sentyo-kansetsu.com/jp/である。

 

 ”骨盤のゆがみ”とされるものは猫背、腰痛、仙腸関節部の痛み、股関節痛などの症状に現れる。

 

 骨盤は仙骨、腸骨、恥骨、尾骨、坐骨が組み合わされて構成され、それを筋肉や靭帯が支えている。文字にすると簡単だが、非常に複雑な作りになっているとともに、靭帯をゆるめるといったホルモンの作用においては性差もあると言われている。

 

 ”骨盤のゆがみ”とはどういう状態かというと、医師によっても柔道整復師や鍼灸師などの医業類似行為者によっても異なるのが実情だ。たとえば整形外科医には「骨や骨盤の歪み」と表現する医師もいれば「そのような概念はない」とする医師もいるようだ。

 

 はっきり言ってよく分からない。ただ、骨盤を支える筋肉に問題があるという点では共通しているような気がする。

 

 そのように考えると、骨盤矯正とは”骨盤を本来あるべき形状と状態を保持させる目的で行う医業類似行為”というのが筆者の概念だ。

 

 骨盤は脊椎というたった1本の”柱”で腰から上の部分を支える土台であるとともに、下肢の動きも司る接続部であり中間地点でもあるから、如何に大きな負荷がかかっているか分かる。

 

 いずれにしても違和感を感じたら、整形外科で治療を受けるもいいし、カイロプラクティクス、接骨院、整体などで施術を受けるのもいいが、まずは日常における正しい姿勢を保ったうえで、コンディションをセルフチェックしてみてはどうだろうか。

 

 

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