女性の健康と東洋医学

 女性の健康の悩みと東洋医学による治療は相性がよいと言われています。

 

 女性は男性以上にホルモンバランスによる体調コントロールがデリケートと考えられ、 特に女性の不定愁訴におけるマッサージ、鍼灸治療の問診では、月経の状態を確認することが望ましいとも言われています。

 

 月経周期はおよそ28日前後に1回で、1回につき3~5日にわたって出血がみられます。東洋医学では、月経周期が早まったり遅れたりといった状態を知ることで、血(けつ)や気の作用の状態を推察する要素のひとつにします。

 

 また、月経でもないのに性器出血をする場合を「崩」、出血が止まらない状態を「漏」といいます。これらの症状は合併することが多いことから「崩漏」と呼ばれ、これらも気の作用低下が考えられます。

 

 そのため、月経血量の多少(「その人にとっての通常量」と比較したうえで)は、病的か否かを判断する材料のひとつになることもありうるのです。

 

 また、月経血が水っぽいと気血不足、粘り気があれば熱の症状、血塊が確認できた場合は瘀血のあらわれといった見方もあります。

 

 月経痛が主訴の場合、特に月経前後に下腹部や腰部に痛みを生じるものを「痛経」とよび、その痛みの原因が気や血の流れか、血の不足かを推察するうえで大切な情報になります。

 

  これらの情報をふまえ、東洋医学的(原因を気・血・津液・精、五臓、内因・外因、経脈、六因などで考える)な考えをもとにして鍼灸治療やマッサージを行う場合、痛む部位(局所)ではなく、経絡(主に任脈、衝脈)や経穴(合谷、太衝、三陰交、陰陵泉、内関、公孫、膈兪など)を考慮に入れて治療することがあります。

 

 体調がすぐれない日が続き、内科や婦人科でも特定の疾患が見つからず、できれば薬を飲みたくないという方は、東洋医学的な治療を試してみるのもいいかもしれません。

 

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*リライト:2020年2月6日