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貴景勝、夏場所休場・・・右膝内側側副靭帯損傷

 大関の貴景勝が右膝の内側側副靭帯を損傷し、夏場所5日目の16日から休場することになったとメディア各社が報じた。

 

 4日目の小結・御嶽海との取り組み直後、誰が見ても一目で分かるぐらい貴景勝の様子がおかしかった。案の定、足を引きずりながら土俵を降りて支度部屋へ向かう姿は痛々しかった。一部の報道によると今後約3週間の加療を要する見込みとのことだ。

 

 膝関節の疾患はスポーツ選手に限らず、一般の人においても体重とのかかわりが大きいものの、一般の人で側副靭帯を損傷するほどの外力がかかる状況は、何かしらの運動をしている最中でないかぎり思いつかない。

 

 特に中高年に多い膝関節の痛みで多いのは、いわゆる変形性膝関節症と呼ばれるもので、膝関節の退行性変化により関節軟骨の摩耗をはじめ、半月板や靭帯の変性、関節包の炎症などによるものである。

 

 これらの症状には正座したり、座った状態から立ち上がる時の痛みがあるが、さらに悪化すると歩行痛や階段の上り下りでも痛みが出てきて、場合によっては日常生活にも支障をきたす。ちなみに階段の昇降は、昇る時よりも降りる時の方が痛みを感じる場合もある。

 

 貴景勝は取り組み直後に、顔をゆがめながら右足を引きずっていたが、一般の人だと痛みがひどくて歩けなくてもおかしくない。

 

 内側側靭帯を傷めたということは、外反の強いチカラがかかったと推察できる。

 

 外反とは、両下肢を揃えてまっすぐに伸ばした際に膝の内側はくっつくが、膝から下が離される方向に力がかかるイメージ。もっと分かりやすくいうと、下肢がO脚と逆になるような、膝下が体の中心から横方向(外側)に向かってはたらくチカラのことだ。

 

 膝関節を構成する主要な靭帯は内・外側側副靭帯と前・後十字靭帯がある。スポーツをする人ならば分かるだろうが、内側側副靭帯は傷めやすい。筆者は学生時代に部活動でサッカーをしていたが、膝関節の内側側副靭帯を傷めた経験が2回ある。

 

 そのうちの1回は、向かい合う相手選手とボールを同時に蹴った際、私は右足のインサイドを使っていて力負けしてしまい、膝下に強い外側方向のチカラがかかったのだ。激痛のあまり、その場にしゃがみこんでしまった。

 

 スポーツ選手に限らず、関節のケガは治す時にしっかり治さないと後々、後遺症になったり、ちょっとしたきっかけで大きいダメージを受けることがある。

 

 筆者は相撲に精通していないが、一部の報道を読んだところ、休場が長引くと番付けにも影響しかねないらしい。貴景勝は大関になったばかりだし未だ若いのだからしっかりと治して、これから先長く活躍して相撲フアンを楽しませて欲しい。

 

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