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元AKB48の前田敦子さん・・・膝の靭帯を負傷

 元AKB48で女優の前田敦子さんが7日、「自宅で膝の靭帯を負傷し、都内で行われた映画『町田くんの世界』(6月7日公開)のジャパンプレミアを急きょ欠席した」とのこと。複数のメディアが報じた。

 

 負傷の度合いなどについての詳細は分からないが、膝関節の主な靭帯には前十字靭帯、後十字靭帯、外側側副靭帯、内側側副靭帯がある。

 

 スポーツ選手のケガとしてよく耳にするが、強い外力で損傷するだけでなく瞬間的にかかる負荷でも傷めることがあるため、前田さんのように日常生活で負傷することがあったとしても不思議ではない。

 

 主な靭帯のなかでも、特に損傷しやすいのは内側側副靭帯と言われている。この靭帯は、ざっくりいうと下肢の外反(エックス脚の状態)の負荷過剰で傷める。外側側副靭帯はその逆になる。

 

 前十字靭帯は、これまたざっくりいうと下腿(膝から下)が、前方へ過剰に移動すると痛める。後十字靭帯はその逆になる。

 

 また、前十字靭帯はジャンプの着地時にひねり動作が加わったりすると痛めやすいことでも知られている。

 

 どの靭帯を傷めるかにもよるが、おおむね痛みが生じて歩行が困難になることが多く、筆者ら鍼灸師がいきなり治療するものではないと考えている。むしろ、そのような状態で医者にも診せず、いきなり鍼灸師の治療を受けようと思う人もいないだろう。

 

 もちろん、ある程度回復してきて、リハビリの一環としての鍼灸治療を受けるのは効果的と考える。

 

 膝関節の痛みを訴える患者さんは多く、鍼灸治療においては腰痛に次に多いのではないかとも言われているほどだ。

 

 靭帯以外の膝関節疾患としては半月板損傷、関節水腫、滑液包炎、変形性膝関節症、化膿性関節炎などさまざまだ。

 

 膝関節を傷めた場合の症状には自発痛、夜間痛、動作開始痛、正座痛、立ち上がり痛、歩行痛、階段昇降痛、膝折れ、ロッキング、こわばり、腫脹などがあげられる。

 

 疾患によって症状が異なるため鑑別が重要であるが、鍼灸治療を受ける方で多いのはおよそ変形性膝関節症である。それ以外の損傷は靭帯損傷同様に痛みが強いため、すぐに鍼灸の治療を受けようと思いつく人は少ないからだろうともいえる。

 

 いずれの疾患においても、施術するタイミングは異なるものの、鍼灸治療は痛みを和らげたり、リハビリをサポートする治療として有効である。

 

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