「美容鍼灸師は一般的な鍼灸師と違い、美容面の効果に特化した技術と知識を持ちます」
これは、はり師・きゅう師・あん摩マッサージ指圧師・柔道整復師の養成校「東京呉竹医療専門学校」のホームページに掲載されていた「美容鍼灸師」について解説するページの一文です。
<外部リンク>美容鍼灸師になるには?必要な資格とは? | 【公式】東京呉竹医療専門学校|柔道整復・鍼灸マッサージ|国家資格取得
有名な専門学校がこんな記述をするとは・・・
「一般的な鍼灸師と違い」と言い切る部分に違和感を感じます。
鍼灸あん摩マッサージや柔道制服の専門学校は学生集めに苦労しているところも少なくないらしいですから、何かしら目を引く話題を提供しないと経営が大変なのでしょうか・・・東京呉竹医療専門学校はどうだかわかりませんが。
「美容鍼灸師」などという職種は国家試験資格にはありません。 「一般的な鍼灸師」でも美容鍼はできますし、施術行う者が美容鍼灸師か否だけで、同じ美容鍼施術を行った場合に効果に差が現れるとは考えにくいです。
ですから、美容鍼を受けたいと思っている患者さんは「美容鍼灸師じゃないとダメなの?」などと、誤った解釈をしないで欲しいと願います。
また、顔以外の部位にも鍼を刺さなければならないなどという「定義」は美容鍼に存在しません。
手や足、背中や腹部などにも鍼をするかどうかは施術所や施術者の治療方針によります。 ただし、東洋医学的には臓腑や経脈の状態が顔面部の皮膚の症状に現れているととらえる観点から、顔以外の部位にも鍼をするのはとても理想的だと思います。
美容鍼に必要な「美容の知識」は、東洋医学(特に四診、弁証、配穴)、生理学や解剖学や病理学(特に皮膚に直接的に関わる分野)といった国家資格を有する基礎知識があれば問題ありませんし、効果も期待できます。
そして、最新の美容や皮膚科学に関する情報をキャッチし続けるのが望ましいです。時代が進むと新たな発見だけでなく、それまでの常識が覆されることも多々ありますから。