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美容鍼、皮膚と内分泌系の関係

 美容目的の鍼施術(美容鍼)の効果を疑う人がいます。「エビデンスありき」を重視する人においては、物足りなさを感じておられるかもしれません。

 

 とはいえ、「1度の施術で完璧」は症状や状態によっては美容整形外科ですら難しい場合がありますし、美容鍼よりもデメリットを伴うことがあることも承知しておかねばなりません(筆者自身も美容整形外科で「シミ除去」だけの施術を受けた事がありますが、その際もリスクや自己責任などのインフォームドコンセントを口頭と書面で執拗に確認を求められましたが、当然のことです)。

 

 確かに美容鍼そのものの効果検証が科学的に明らかになっていないこともありますが、何でもかんでも「エビデンス(科学的根拠)絶対ありき!」を唱えていたら、現代医療ですら疑わしい治療方法が少なくないことは、これまでにも何度かブログに書いてきました。

 

 ただ、皮膚への刺激が人体におよぼす影響という観点では、古くから数多くの研究報告が存在します。

 

  その中には直接的あるいは間接的に美容・美肌に効果が期待できるものもあります。

 

 たとえば皮膚の表皮部を形成する主な細胞にケラチノサイトがあります。表皮の厚さは人や部位によっても違いますが概ね0.06~0.2mm程度です(ちなみに角層は概ね10~20/1000mm。真皮は概ね1~4mm)。

 

 美容鍼で刺す鍼の深さは、部位や症状によっても異なりますが、概ね1~5mm程度になりますから、細胞レベルでは生体反応に影響を及ぼす(刺激しうる)深度に達していることになります。

 

 およそ1mmにも満たない表皮ですが、ケラチノサイトには神経伝達物質やホルモンを合成することが分かってきています。また、サイトカインの放出も知られてきました(余談ですが、日光を浴びることによる皮膚のビタミンD生合成については、もっと古くから知られています)。

 

 ところで先日、皮膚へのマイクロニードル施術についての記事がネットに掲載されていました(サイト名:美容経済新聞/記事見出し:「皮膚へのマイクロニードルは比較的安全な治療法 https://bhn.jp/news/133332)。

 

 この記事のように、すでに行われている施術法が効果として認められたり誤りであったなど、後々に報告されることは珍しくありません。