英国で流行する変異した新型コロナウイルスの感染が、「すでに市中感染している可能性がある」といった見解を示す専門家もいましたが、まるでそれを裏づけるような報道が相次いでいます。
たとえば、昨日に配信されていたこんな記事もひとつです。
「変異ウイルス新たに5人=職場でクラスターも―厚労省(時事通信社:2021/01/30付 https://medical.jiji.com/news/38747)」
ところで「クラスター(感染者集団)」の規模(人数)を筆者は知りませんでした。とりわけ、新型コロナウイルスを対象にネットで調べたのですが、具体的な規模(人数)を突き止めることができませんでした。
しかし、あるページを発見しました。
それは、厚生労働省のホームページに掲載されていた「加藤大臣会見概要(新型コロナウイルス感染症対策の基本方針について)(令和2年2月25日(火)15:30~16:11省内会見室):https://www.mhlw.go.jp/stf/kaiken/daijin/0000194708_00215.html」です。
クラスターの規模について、記者と加藤大臣(当時)の質疑応答の一部を抜粋します。ちなみに、このやりとりから1年近く経過しますが、その後具体的に定義されたかは不明です。
===================
記者:
加えてその何人規模ぐらいをクラスターととらえるのかという点はいかがでしょうか。
大臣:
規模ももちろんありますが、一定の、こうなんていうんですかね、感染の経路、つながりがあって、そして1つの集団としてとらえていくというのが患者の集団とかクラスター、そしてそれがまた次に新しいものにつながって、またそこから1つの集団が形成されていく、それを1つの集団から次の集団が発生されていく、こういう形で拡大をしていくということを、私たちは、あるいは専門家の皆さん方も大変危惧をしているところであります。それをどう遮断をしていくのか、防いでいくのか、ということが今問われているというところであります。規模が何人かという、必ずしも具体的に何人ならこうだというものは持っておりませんけれども、そうした動きがどう展開していくのか、この辺をしっかり分析することが必要だと思います。また必要であれば後ほど専門家会議の副座長をしております尾身先生からお話をいただければと思います。
===================
このブログで言いたいことは「メディアはセンセーショナルな表現は控えめにすべきでは」です。
記事の見出しはインパクトが大切ですが、明確な定義がない単語を、特に不安な生活を強いられている状況で安易に用いるのはいかがなものかと感じました。ストレスは健康にも影響します。筆者の仕事柄、少し気になりました。