鍼とマッサージ、東洋医学的なとらえ方

 日本における東洋医学とは、特に中国を起源にする伝統医学のことを指すことが一般的です。

 

 ところで、漢方との違いは何かと言うと、「漢方」は主に「中国から伝わる、薬草や動物の骨などを原材料にした薬」という意味で用いられることが日本国内では一般的ではないでしょうか。ですから「漢方」はあくまでも日本からみた呼び方にすぎません。

 

 少し話しがそれましたが、東洋医学的な診かたで不可欠なのは「気・血・津液・精」の状態です。分かりやすくいうと、それらが旺盛か不足しているか、あるいはスムースに流れているか否かなどです(厳密には「陰陽」「臓腑」「寒熱」「表裏」「内傷外感」ほか、さまざまな観点があります)。

 

 ところで、このブログのタイトルに「マッサージ」と記述していますが、マッサージは東洋医学が基礎になっているものではありません。

 

 日本においては「あん摩」も「指圧」もマッサージとして一括りにされることが多いのですが、厳密には各々の起源や技法も異なります。日本における東洋医学を基礎にした、現代で言う「マッサージ的」な施術としては「あん摩」があります。

 

 あん摩の基礎になっているのは、今でも中国で行われている「推拿(すいな)」がそのひとつになりますが、中国から日本に伝わってから独自の解釈・発展・体系化の後に「あん摩」として確立したと考えられています。

 

 鍼、灸、あん摩、湯液(いわゆる漢方薬)はいずれも東洋医学を基礎にするもので(病勢や病位など、一部の解釈は微妙に異なる場合もありますが)、不調の原因は体を構成し司る要素の「バランスの乱れ」にあるととらえるのが特徴といえます。