「ダウンタイム」のとらえ方

 ダウンタイム(downtime)とは、ビジネスシーンにおいて「稼動停止期間」という意味で用いられることがあります。美容の分野では、施術後に生じる内出血、発赤、腫れ、むくみなどの症状がおさまって、元の状態に戻るまでの期間をさします。

 

 いうなれば、生体の反応としてとらえた場合、体に備わる免疫力や治癒力によって損傷部位を修復・再生をしようと働いている期間といえます。

 

 鍼やマッサージの施術ではあまり用いられることがない言葉ですが、美容鍼では用いる術者もいます。

 

 また、「ダウンタイム」という言葉を使わないにしても、施術者は患者さんに同義の内容を説明したうえで、患者さんから施術の同意を得るのが一般的です。

 

 肩こりや腰痛などの施術で用いても不思議ではないと筆者は考えています。いわゆる「もみかえし」「鍼あたり」などの副作用といわれるような症状が出ている期間も、ダウンタイムにあたるのではないかというのが筆者の自論です。

 

 ダウンタイム中は、上述の通り炎症の似た症状が現れることがあるもので、痛みやだるさといった感覚を伴うことがあります。それを「副作用」とだけで説明を留めてしまうと、ネガティブな印象にとらえられかねません。あくまでも「治療過程で生じうる症状」なわけですから、患者さんを安心させるうえでも大切な説明であり、インフォームドコンセントのひとつではないかと考えています。

 

 ちなみに、効果が高い施術ほど、ダウンタイムが長期化したり症状が顕著にあらわれやすくなるといった傾向がみられるとも考えられています。とはいえ、ダウンタイムを長期化させたり重篤化させないための対処も不可欠であることは言うまでもありません。

 

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