こんな人は「治る病も治らない」?

 歴史的に有名な医師といえば現代医学史上では古代ギリシャのヒポクラテス、中国の医学史上では扁鵲(へんじゃく)がいます(扁鵲が活躍したとされる時期から推察すると、個人名ではなくて「医師団のようなものではないか」といった解釈も存在するそうです。漢方薬や鍼灸師、マッサージあん摩指圧の道を志す人は、一度は学校で学んだことがあるはずではないでしょうか。

  

 扁鵲が登場することで知られている書物に、司馬遷によって編纂された中国の歴史書『史記』があります。『史記』の名前だけは聞いたことがあるという人もいるのではないでしょうか。その中の『扁鵲倉公伝』には扁鵲が唱えたとされる「六不治」について書かれています。

 

 六不治とは、病気に罹ったとしても「医師でも治せない」「医師が治したくない」「治りにくい人」「治りにくい『症状』」など、 さまざまな解釈がありますが、筆者としては「治る病も治らない」とでも解釈しています。

 

 ※左に原文、右は筆者(HSK中国語検定4級レベル)による意訳です。

(一)驕恣不論於理 → 道理をわきまえず驕り高ぶる人(傲慢な人)

(二)輕身重財 → 体よりも財を重んじる人(がめつい人)

(三)衣食不能適 → 健康的な生活習慣や摂生が出来ない人

(四)陰陽並.藏氣不定 → 陰陽とともに臓気(臓の気)が乱れた状態

(五)形羸不能服藥.→ 痩せ細って薬が飲めない(効かない)状態

(六)信巫不信醫 → 医師よりも占いや祈祷を信じる人

 

 ※中国語でも特に古文は解釈が難しく、人によってとらえ方が異なるものなので、ここでは筆者の意訳を紹介させてもらいました。

 

 「本気で治したい!」という意識の患者さんと、「治るも治らないも施術者の技量次第」という受け身の患者さんでは治療効果と予後は違うものです。それは、西洋医学でも東洋医学でも同じだと思います。

 

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※リライト:2021/08/17