美容鍼で「くま」「眼瞼下垂」「はれぼったさ」など、目の周囲の改善を希望する患者さんは少なくありません。
「くま」にはいくつかの原因が考えられ、美容鍼をすることによって薄れるか否かはそれらの原因がかかわってくるもので、多くは施術をしてみないとわかりません。
「眼瞼下垂」の施術対象部位になるのは眼球の直上です。出血させてしまうとどうなるかは、説明するまでもなくおよそ推察できる通りです。
これらに対して「はれぼったさ」は美容鍼の効果を期待できます。特に血やリンパの循環が原因と推察されれば、必ずしも施術部位を目の周囲にこだわらなくても、効果が現れることもあります。
眼の周囲(特に眼下)は皮膚が薄くて内出血を生じやすいうえに、いわゆる「青たん」が目立つところでもあります。
鍼施術における内出血は、技術とは関係なく完全に回避させることは困難です。さらに、「血液サラサラ」効果の薬を服用していたり、体質によっては内出血痕が大変目立つため、まるで殴られたように見えてしまうことすらあります。
そこで当院では、近日中(個人差はありますが、概ね施術後10日以内)に写真撮影やパーティーへの参加など、イベントを控えている人には率先しておすすめしていません(撮影後に画像編集ソフトで修正をかけるなら問題ないでしょうが)。
施術者によっては、これらのリスクを「技術や経験の問題」と一蹴する人もいます。確かにそれも一理ありますが、それだけではないということは断言できます。
また、筆者のように几帳面なインフォームドコンセントを好まない患者さんがいるのも事実ですが、美容鍼であろうと腰痛や肩こりであろうと、期待できる効果とリスクの説明と同意は必須だと筆者は考えています。
施術者は患者さんが了解したのだから何でも良いというのではなく、特に「美容」を目的にする施術を行う以上、終わった後に残念な気持ちになるのは好ましくないと考えています。
目の周囲への直接施術ではなくても、それなりの効果を引き出すことも、施術者の技術や経験ではないかと筆者は思います。
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