マッサージの"チカラ加減"

 マッサージを受ける際の”チカラ(圧)加減”の適量は、人によって違うものです(ここでは、手技の違いにかかわらずマッサージとしておきます)。

 

 強い刺激が好きな人もいれば、なでる程度の弱い刺激を好む人もいます。

 

 どちらが効果的かというよりも、施術を行う筆者としては、患者さんがどういった症状で目的が何かによって、手技や力加減を調整します。

 

 患者さんがリラクゼーション効果を目的に施術を受ける場合は、患者さんの要望にできるだけ応えられるようにします。

 

 腰痛や肩こりなど、具体的な愁訴が存在したうえで痛みを和らげたいなどのリクエストならば、治療という観点で施術を行います。その場合には、患者さんからの要望よりも筆者の治療方針で力(圧)量を調整します。

 

 また、リラクゼーション目的であっても患者さんの年齢や基礎疾患の有無によっては、患者さんの希望をお断りする場合があります。例えば、高齢者の場合(特に女性)、骨密度が低下している可能性があります。マッサージで骨に強い圧力をかけた場合、部位によっては容易に骨折をさせてしまうリスクが高まります。

 

 糖尿病の基礎疾患がある方で、神経障害を招いている人の場合、感覚が低下している場合があります。やはり、骨密度が低下している人と同様に、部位によっては骨折を招きかねない圧をかけてしまう恐れがあります。

 

 このように、患者さんの目的によって手技や力加減を調整するのが、国家資格を有するあん摩マッサージ指圧師になります。

 

 患者さんには、圧のかけ具合と施術者のスキルを結びつける人もいますが、一概にそうとも言えません。もちろん、手技のスキルは大事ですが、解剖学や生理学といった医学的な知識を基礎に、リスクと効果を鑑みたうえでの判断力も不可欠です。

 

 ただ、特にリラクゼーション効果を求めた場合は、つきつめると”施術者との相性”が大きいのではなかと筆者は思います。どんなに有名な先生であっても自分に合うとはかぎらないですし、無資格のアルバイト施術者が自分に合うことだってあります。

 

 温浴施設やリラクゼーション施設では、国家資格はおろか専門的な知識すらまともに知らないで施術をしている人もいます。ですから、そういった場所で施術を受ける際には、強い刺激(圧)をリクエストする際には、それなりのリスクも入れたうえで、施術者にお願いすることをおすすめします。

 

 いずれにしても、痛みを和らげるといった治療を目的にするならば、まずは医師やマッサージ治療院など、相応の方に相談したり施術を受けるのがいいと筆者は考えています。

 

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