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ぎっくり痛に用心!

 腰痛を訴える患者さんが急増しています。特に寒い時期になると筋肉の柔軟性が低下したところに、突発的な動きで負荷がかかることが原因のひとつとも考えられます。

 

 また、年末に大掃除をした時の筋肉疲労を引きずっているのではないかと訴えるご高齢の患者さんもいます。

 

 腰痛の原因について、あるいは原因が特定できない事が多いということについて、これまでにブログで紹介してきました。

 

 ぎっくり腰は原因が特定できない腰痛全般の通称で、突発的に生じる急性の腰痛に用いられることが多く、痛み方や特に痛む場所には個人差があります。欧米では「魔女の一撃」なんて呼ぶ地域もあることも、以前に紹介しました。

 

 腰痛予防は、ある程度できます。

 

 起床時、仰向けの寝姿勢から身体を起こす前に、両手で両膝を持って胸に寄せる、だんご虫が丸まった状態のような姿勢を1分ぐらいとるだけでも、筋・筋膜・靭帯などのストレッチになります。また、滑液や水分の循環を促します。腰部だけでなく股関節、膝関節にも良いです。

 

 ついでに、股関節と膝を曲げ、両膝をあわせたまま左右にゆっくり倒すのもいいです。これらは風呂上りや就寝時にやるのもおすすめです。

 

 日中、同じ姿勢をとり続けるのも腰痛を引き起こす原因になります。運動のし過ぎもしなさすぎも腰には良くありません。

 

 仕事でデスクワークをする場合、1時間ぐらいを目安に、立ち上がって運動をすると良いといったアドバイスをよく聞きますが、それを習慣化できないようでしたら、せめて座ったままで良いので腰を回すなどして循環を促すのがよいでしょう。

 

 使い捨てのカイロを腰に貼って温めるのもいいでしょうが、最近は温度が高めの商品もあります。くれぐれも低温火傷にならないように注意が必要です。

 

 ぎっくり腰は、まさに前兆がないので「ぎっくり」なのですから、そうならないようにしておくことが肝要です。

 

 なってしまったら、とりあえず安静にすることが第一で、もしも病院に行けるようであれば医師に診断してもらいましょう。原因が特定できずに「一種のぎっくり腰」であれば、鎮痛剤を注射したり処方されたりします。また、温熱療法や湿布をしてもらえるでしょう。

 

 安静にして4~5日ほど経過すると、徐々に痛みが和らいでくるでしょう。ある程度動かせるようになったら、あまり安静にしすぎない方がいいです。またその際、コルセットなどは必要ない時には外して、頼りすぎないようにするのも大切です。

 

 予防目的の運動にしても、ぎっくり腰のような症状になってからの運動でも共通して大切なことは、「無理をしないこと」「痛みや疲労を感じるほどはやらない」「呼吸(特にしっかり吐く)」ことを心がけることが肝要です。

 

 ちなみに、鍼灸やマッサージ治療も痛みを緩和させる一助になります。

 

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