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腸骨稜を疑う、腰下肢の不具合

 腰、鼠径部、股関節、大腿(主に前面)、膝関節に違和感が生じている場合、腸骨稜をマッサージすると和らぐことがあります。

 

 腸骨稜には腸骨筋、外腹斜筋、大腿筋膜張筋など、おもに股関節の動きに作用する筋が付着しています。鍼やマッサージによる治療で改善の効果が期待できる治療対象部位でもあります。

 

 股関節の不具合は下肢だけではなく腰にも影響を及ぼすことがあり、腰痛を訴える患者さんにも見られることがあります。むしろ、腰部の不具合が股関節の動きに影響を及ぼしているのではないかと推察する場合もあります。

 

 腸骨稜の背中側から内側(内臓側)面に沿って付着する筋肉は腸骨筋です。鼠径靭帯の下を通り、脊椎(第12胸椎~第5腰椎)から伸びている大腰筋と合わさり、腸腰筋となって大腿に付着します。

 

 腸骨稜の外側で、外側から前方にかけて付着する筋肉は大腿筋膜張筋です。大腿部でお尻の大きな筋肉である大殿筋と合わさって腸脛靭帯となり膝の外側を通り脛骨につながります。股関節だけでなく膝の運動にも作用します。

 

 腸骨筋と大腿筋膜張筋の間(腸骨稜の稜線部)に外腹斜筋があります。外腹斜筋は鼠径管を構成する一部になります。鼠径部に生じる痛みなどの不調の原因になることもあります。

 

 腸骨稜の腹側の突端を上前腸骨棘と呼び、縫工筋が付着し、股関節と膝の運動に作用します。さらに、上前腸骨棘の下には下前腸骨棘という部分があり、ここには大腿直筋、腸骨大腿靭帯が付着します。

 

 

 

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*リライト:2020年4月27日