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トレーニングとコンディショニング

 フィットネスクラブとエキササイズに励む人が増えているということが話題になっています。

 

 テレビのワイドショーやネット情報によると、ダイエット、ストレス解消、肉体改造など目的はさまざまで、性別を問わず中高年が特に増えているようです。

 

 筆者は一時期、国内で有名なフィットネスクラブ内の治療院で仕事をしていました。患者さんのほとんどがフィットネスの会員なので、運動器系の不調を訴える人が多かったのですが、トレーニングメニューはパーソナルトレーナーと相談し、飲食についても研究して工夫をしているわりには、マッサージなどの「メンテナンス」にはけっこうルーズな人が多かったものです。

 

 実は、効率的で効果的なトレーニングで大切なのはビフォーアフターのメンテナンスにあるといってもいいでしょう。また、ケガをしにくい人の特徴としては、メンテナンスをしっかりやっているように見受けられます。

 

 プロスポーツ選手を見ても分かる通り、準備体操を入念に行っています。さらに、トップクラスの選手の特徴はあまりケガをしないですし、ケガからの復帰も早いもので、メンテナンス(自己管理)をしっかり行っている選手も少なくないでしょう。

 

 時間がなくて、運動をする前と後(ビフォー、アフター)のどちらかを重視するとしたらビフォーです。もちろん、明らかな外傷などがあればアフターをしっかりやらなくてはいけません。

 

 筋肉や靭帯などが負荷に耐えられるような状態でなければ、運動中に損傷するリスクが高まります。損傷したらもはやアフターケアではなく、れっきとした治療を施さなくてはなりません。

 

 急性のケガや損傷における治療の原則は休むことです。治療による休憩(rest)はトレーニングのインターバルでいう休憩とはワケが違うのですから、せっかく作り上げてきたものも、損傷の程度によっては元の状態にもどすためにマイナスからのスタートになりかねません。

 

 これだけでも、コンディショニングを怠った場合のデメリットがいかに大きいかイメージできるのではないでしょうか。

 

 鍼やマッサージによるウォームアップやクールダウンは、なかなか効果を実感しづらいため、「贅沢」「無駄遣い」と捉える人もいますが、プロのアスリートを見れば分かる通り、スポーツをする人は頻度の違いにせよメンテナンスは不可欠です。

 

 特にダイエットや肉体改造を目的にする人は、いわゆる「アスリート」と呼ばれる人たちに比べて軽視しがちにみえますが、人体の細胞や組織のレベルでは大きな負荷がかかっていることを認識する必要があります。

 

 転ばぬ先の杖ではありませんが、特に中高年デビューの方々でスポーツ経験が軽度の人は、メンテナンスもトレーニングメニューのひとつと考えて取り組む心がけが大切です。

 

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