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美容鍼も慢性痛治療も…はじめは定期的に!

 鍼治療を受ける患者さんには「1回で痛みがとれる」に期待を膨らませる方が少なくありません。期待以上の結果を出すこともあれば、そうでないこともあります。

 

 また、鍼灸治療を受ける患者さんには、どこの病院に行っても「異常なし」または「原因不明」と医師から告げられ、理学療法や整体に通っても効果があらわれないため、「鍼治療を試してみることにした」という人も少なくありません。

 

 それだけに、何とかしてあげたいという思いが強くなるのが筆者ら鍼師というものです。

 

 病院において、原因が特定しづらい症状の場合、医師は「ちょっと様子を見ましょう」などと言うことがあります。また、薬を処方する際にも「とりあえず」なんてセリフもよく聞きます。

 

 これは、医師の能力的な問題とは限りません。時間経過や薬による症状の変化などを見ることで、検査では確認できない原因を探ろうという目的もあるという人もいます。

 

 ですから、患者さんも1、2回しか治療を受けないで「効果がなかった」と決めつけ、他の治療を受けるなどを繰り返していると、「ドクターショッピング」などと言われる、病院を渡り歩くような状態になりながらも、症状はいっこうに変わらないなんてことにもなりかねません。

 

 鍼治療においても、特に慢性痛や美容鍼・美顔鍼において、筆者がはじめて施術する患者さんへ施術周期のアドバイスをする際には「当初は1週間に1度ぐらいのペースで3回ぐらいの施術が理想です」と伝えています。

 

 筆者の場合、画像検査や血液検査ができないため、医師らがいう「経過観察」というよりも、治療効果の確認による術式や治療方針の確認に主眼を置いています。また、ある程度は短期的な周期で継続することにより、治療効果が高められる期待ができるのです。

 

 スポーツのトレーニングと同じように、時間を空けて何もしないでいると、せっかく良くなりかけても、元に戻ってしまうことは珍しくありません。数時間から1日程度ならば、1回の治療だけでそれなりの効果が出たように感じますが、長期的な観点では継続させることが大切であることは申し上げるまでもありません。

 

 人間の体には、自らの状態を保とうとしたり守ろうとする働きが備わっています。しかし、意識と無意識のなかで、それらの機能が誤った方向に働く可能性も考えられます。

 

 本来あるべき状態がどういうものであるかを体(特に脳)が覚えることで、自分でもある程度コントロールできるようになれば、不調を訴える機関が短くなり、施術を受ける間隔を少しづつ開けられるようになるのが理想ではないかと筆者は考えます。

 

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*リライト:2020年3月18日