温熱療法が効果的な季節

 11月8日に立冬を迎え、暦のうえでも季節は冬に入りました。日中は暖かくても朝夕は寒く、一日の気温差が大きいため体調を崩しやすい時期でもあります。

 

 筆者は昨日、インフルエンザの予防接種をしてきました。今年は早くから流行しているようなので、早めの摂取をおすすめします。

 

 寒い季節は特に身体を温める治療法が好ましいです。急性の炎症でなければ、温熱療法は時期や疾患を問わずに良いと唱える先生もいらっしゃいます。

 

 当院で取り入れている温熱療法を紹介しますと「遠赤外線」「超音波」「ホットパック(電気式湿熱式)」「パラフィン」「灸」があります。当院はマンションの一室での営業ですが、備えている温熱治療機器は町の接骨院や個人経営の整形外科に引けを取らないと自負しています。

 

 

 遠赤外線は家庭用暖房器などでもお馴染みのアレですのでイメージつきやすいと思います。ただ、医療用なので形状が特殊ですから、肩や膝など部位に合わせて照射位置を自由に調整できます。鍼をしながら照射したり、マッサージでは手を使っていない部分に照射したりもします。

 

 ホットパックも、骨折や打撲などで整形外科にお世話になったことがある人ならばご存知でしょう。ズシッと重みのある湿った布袋のようなものを患部にあてがうものです。当院ではさまざまな観点から電気式で温めるものを使用しています。ただ、湿熱式なので家庭用の電気マットや電気毛布などとは発熱させる仕組みが違い、より身体の深部まで熱が伝わりやすいのです。

 

 超音波に対して「温熱」をイメージしにくいという人もいると思います。これは一秒間に数百万回におよぶ振動によって温熱効果を生むのです。遠赤外線やホットパックでは届かない、皮膚からより深い部分を温める効果があります。整形外科では骨折部位の物理療法に用いたりもしています。また、腱鞘炎や変形性指関節症などにも使用されることがあります。

 

 パラフィンは、わかりやすく言うと「ロウソクのロウ」のような物を温めて液体状にして幹部に塗ります。液体なので、指の間など狭い部分にも熱が行き渡ります。ロウは熱伝導が低いため、50度以上の温度でもやけどなどは起こしにくく、短時間で確実に温熱効果を実感できます。また、リウマチや腱鞘炎などのリハビリ前に行って、動かしやすくする目的で使用されることもあります。

 

 灸は東洋医学の温熱療法の代表と言ってもいいでしょう。もぐさを皮膚に直接のせて焼いたり、棒状に固めたもぐさを皮膚の近くであおるなど、治療部位や目的によっていくつかの方法があります。最近ではもぐさを台紙にのせて、肌を傷つけない方が好まれる傾向にあります。本来、灸治療の作用には、軽いやけどをおこさせることがありますが、時代とともに需要が減ってきているのが実情です。

 

 当院は温熱療法を積極的に取り入れています。症状によっては同部位の再治療を前提に相談のうえで物理療法機器を中心にした「リハ治療(メニュー名称)」も行っています。寒い季節だからこそ、身体のコンディショニングをしっかり行って乗り切りましょう。

 

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