鍼灸治療院えらび、ネットもいいけど・・・

 インターネットが生活に欠かせない情報ツールになって以来、さまざまな仕組みが日々開発され続けています。便利になる一方で、問題の多くは解決されないまま、うやむやになっているケースも少なくありません。

 

 それは、運営側の管理に問題があったり、仕組みを開発する者と仕組みの「盲点」を狙う者によるイタチごっこのようなものだったり、インターネットを使った利便性の向上とリスクは常に紙一重の表裏関係が続くのかと思うと複雑な気持ちになります。

 

 筆者は雑誌やインターネット媒体でのマスコミ業経験があるため、過去に起きた問題や疑惑が今も生じていることに残念な気持ちになります。

 

 最近、ワイドショーで取り上げられているニュースには、グルメレビューサイトにおける「評価操作疑惑」、京都市が吉本興行に発注したとされている漫才コンビ「ミキ」によるツイッターを使ったPRの「ステマ類似行為」の疑惑、迷惑運転で犯人に関わったとされる人物と全く関係のない人の情報が拡散され、訴訟問題に発展しそうな「リツイート、拡散問題」などがあります。

 

 ただ、こういった疑惑や問題は今に始まったことではありません。

 

 評価基準やクチコミは消費者にとって参考になる情報ではありますが、意図的にネガティブな書き込みや評価をつけることが可能です。すなわち、ライバル店や個人を標的にした嫌がらせも可能なのです。

 

 それが、匿名性が高いネットの世界の恐ろしさでもあります。逆に、家族や仲間が協力して好意的な書き込みや評価をすることも可能で、ある種の宣伝ツールとしての使い方もされています。

 

 ツイッターによる拡散効果を狙った、「対価が発生する書き込み」はステマ(ステルスマーケティングの略)と捉えられる可能性があります。過去には芸能人がステマをやっていたとしてバッシングされました。しかし、どこからどこまでがステマに該当するのか筆者は詳しく分かりません。

 

 法律や過去の判例などから、ある程度の基準は設けられているようですが、一般的にはあまり知られていないのではないでしょうか。

 

 鍼灸治療やマッサージ治療の業界においても、ホームページや店頭に有名人の色紙を貼ったり、患者さんからの感謝の手紙を紹介したり、ビフォーアフターの写真を掲載したりして宣伝に利用しています。これらも、ひとつ間違えるとステマや誇大広告のひとつになるのではないでしょうか?

 

 また、「雑誌で紹介されました」と宣伝している治療院も多くありますが、ペイドパブ(有料記事広告)やタイアップであれば、純粋な記事とは言い難いのではないでしょうか?

 

 では、何を参考にして鍼灸治療院やマッサージ治療院を選べば良いか。それは、電話や問合せフォームやメールなどで、予め簡単な「問診」みたいなことをしてもらうのです。具体的な症状を伝え、治療経験や治療方針を聞いてみるのです。

 

 例えば、筆者が患者だったら・・・

【腰痛の場合】ぎっくり腰の経験があります。朝目覚めて起き上がる時が特に痛いです。しかし、起き上がってから動いているうちに気にならなくなります。整形外科で診察を受けたことがありますが、原因が特定できないと言われて痛み止めの薬と湿布を処方されました。どんな原因が考えられますか? また、同じような症状の患者さんの治療をされたことはありますか?

 

【美容鍼の場合】51歳になります。美容鍼の経験はあります。シミ、ほうれい線、たるみが気になっています。ただ、今回はリフトアップを目的に考えています。そちらでは何カ所に何本ぐらい鍼をするのですか? ちなみに、治療方針のようなものがあればお聞かせください。

 

【腕にシビレがある場合】1カ月ぐらい前から右腕にシビレ感と首を後ろに倒すと右側の肩甲間部にかけて痛みが走ります。鍼やマッサージはこういった症状にも効きますか?

 

 今や、病院なども評価される時代です。ただ、業種的に飲食店やレジャー関連とは違い、医業は書き込みの絶対数が少ないため、算出方法によっては目に飛び込む感覚的な評価点の「振れ幅」が大きくなる可能性もあります。(例:同じ2倍でも「10X2=20」と「1000X2=2000」)

 

 対価が発生するものであれば、損する気分を味わいたくないのは当然のことです。商売をする人が自らを過小評価するはずがないので、やはりクチコミのような他人の評価は参考になるものです。より一層、信頼性を向上させる仕組みがつくられる事に期待しましょう。

 

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