足腰の悩み、股関節は問題ない?

 腰や下肢(太もも、膝関節、ふくらはぎ、足底など)に原因不明の不調を訴える患者さんの中には、股関節の柔軟性が低下している人が少なくありません。

 

 股関節に疑いの目を向けた場合、触診するのは腸骨稜の圧痛、上前腸骨棘と上後腸骨棘(左右)の高さ、腸骨に付着し姿勢や腰下肢の運動の要になる筋(外腹斜筋、大腿筋膜張筋、腸骨筋、縫工筋、大腿直筋など)や腸骨大腿靭帯などで、それらの緊張や圧痛を確認をします。

 

 股関節は大腿骨頭が恥骨大腿靭帯、腸骨大腿靭帯、坐骨大腿靭帯によって腸骨の臼蓋におさめられている構造になっています。他の関節にくらべて体表から奥深くにあり触診が難しく、画像検査ができない鍼灸師やマッサージ師は可動域や関節を取り巻く筋肉や靭帯の状態から情報を得るしかありません。

 

 股関節部をチェックする検査法にはトーマステストや大腿直筋拘縮テスト(いずれも関節包の問題、股関節の拘縮)、オーベルテスト(大腿筋膜張筋や腸脛靭帯の拘縮)、梨状筋テスト、パトリックテストやスコアリングテストやラグレテスト(いずれも股関節の関節面や変形性股関節症などの炎症)、トレンデレンブルグテスト(中殿筋の筋力低下)などがあります。

 

 股関節は複雑な動きをするので検査法もさまざまです。

 

 常に大きな負荷がかかった状態にあり、姿勢保持と運動の要になる部位であるだけに、わずかな不調があちらこちらに影響を及ぼします。病院で画像検査をしても明確な原因が見当たらず、腰下肢のマッサージを受けてもなかなか改善されない場合、股関節の不調が生じているかもしれません。

 

 上述のテストには、一人でもできることがあります。自身で試してみるのもいいでしょう。

 

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