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「地獄マッサージ」って何?

 集英社「週刊プレイボーイ」が運営するサイト「週プレNEWS(https://wpb.shueisha.co.jp/news/)」が10月6日、「「グレーすぎる施術でケガ人が急増中! 消費者庁も警告する「地獄マッサージ」の実態」という見出しの記事を掲載しました。

 

 内容は、フリーアナウンサーの生島ヒロシさんがマッサージ施術を受けて肋骨を骨折したことを取り上げ、日本におけるリラクゼーション業界の現状と消費者へ施術所や施術者を選ぶうえでの注意喚起といった仕立てになっている印象を受けました。

 

 この話題は新聞やテレビでも取り上げられましたが、けっこう知らない人が多いです。

 

 記事を読んだところ、実名をあげての有識者の見解も取材しているとはいえ、少々疑問を抱く部分がありましたので、ここからは筆者の経験を加えながら持論を記述します。

 

 街でみかける「もみほぐし」「○○式マッサージ」「整体」など、いわゆるリラク系で働く施術者は、必ずしも無免許者とは限りません。もちろん、素人がいるのも事実ですが、素人とは思えないほど経験を積んで技術もあるし解剖学を学んでいる人もいます。

 

 リラク系の施術者は、原則お客様のいいなりに近いです。私自身も学生時代にリラク系のお店でのアルバイト経験がありますが、例えば「強おし(つよおし)」と呼ばれる強い刺激の施術を希望するお客さんには、それなりのバワーが必要です。あたかもパワーをかけているかのような圧や感覚が伝わる技術もありますが、それでも絶対的なパワーを要求する人がいます。

 

 そういう人にはある程度のリスクを念頭にいれながら施術をしなければ、お客様は納得しません。実際に「下手くそ!別の人に替われ!」といった怒号を発したお客様も見た事があります。サービス業ですから、お店が定めたNG行為でなければ、基本的には施術を断りずらいのが現実ですし、そもそもそういう業なのです。

 

 また、インターネットにおけるお店の紹介において、サービス内容を細かく記載している施術所は無資格者の店であるといわんばかりの記述がありましたが、これはいかがなものでしょうか。

 

 もしかしたら、厚生労働省「医療広告ガイドライン」にかかわることを伝えたいのではないかと推察します。仮にそうだとしたら、これは医業を対象にした規則です。昨年にホームページなどのインターネットを用いた媒体も広告対象にすると改められましたが、医業以外はこれに該当しません。

 

 すなわち、医業以外は未だインターネットは「消費者自身が意図して訪れた媒体」であり、いわゆる広告扱いにはなっていないのが現状なのです。

 

 有資格者も無資格者もすべてひっくるめて、人の健康とQOL向上に貢献する業が活性化することはいいことです。ただ、リラクゼーションを目的にするか治療を目的にするかによって、おとずれる施設や頼る施術者をしっかり区別するのは、消費者側の意識も必要ではないかと考えます。 

 

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