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ラガーマンに生じやすい「バーナー症候群」

 ラグビーW杯で、日本代表がアイルランド代表に勝利した。「歴史的勝利」「大金星」「奇跡と言わせない」「快挙」など、テレビやネットニュースには称賛する言葉が躍っています。

 

 前大会で優勝候補だった南アフリカに勝利した時は「まぐれ」のような言われ方をする一面もあったが、今回の勝利は日本の真の強さを証明したことになったので、大いに意義のある勝利だったといえるのではないでしょうか。ラグビーにあまり興味がないという人も、勇敢な日本選手の姿に感動したことでしょう。

 

 体を激しくぶつけ合うスポーツでは頸部や肩まわりに障害を招くことがあります。特にラグビーやアメリカンフットボールなどは、タックルやスクラムといった頸部から肩にかけて、もろに大きな負荷が直接かかります。

 

 ラグビー選手に生じる症候のひとつにバーナー症候群があります。これは腕神経叢が過伸展することが原因とされています。頚部が強く屈曲・伸展し、頚部から肩や手に痛みやしびれが生じます。数時間から数日の一過性の場合もありますが、数週間から数カ月におよぶものでは、頸椎や神経根あるいは神経走行上に何かしらの問題が生じていることも考えられるため、あなどってはいけません。

 

 理想としては発症直後に、または3~4日経過しても症状が変わらないようであれば医療機関に相談することをおすすめします。

 

 急性にはアイシングや安静が必要で、症状が悪化しないようであれば鍼やマッサージによる治療をはじめて、痛みからくる筋肉の過緊張を改善していきます。ポイントは「悪化しないようであれば」です。

 

 安静にしすぎると可動域が制限されてしまい、それだけ元に戻す時間が遅れてしまいます。とくに大事な試合を目前に控えている選手の場合、早く練習に戻せる状態にする必要があります。そのうえで、まずは鍼による鎮痛作用と筋緊張を緩和させ、可動域を元にもどすことに主眼を置く治療方針が望ましいでしょう。

 

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