脊柱起立筋をみなおす

 脊柱起立筋は、脊柱の両側に並ぶ筋肉の総称です。脊柱側から棘筋、最長筋、腸肋筋で構成されています。

 

 左右のいずれかがはたらくと体を傾け、同時にはたらくと脊柱を反らせる作用をします。特に最長筋は後屈させるのに作用します。

 

 仙骨の背面、下部の腰椎の棘突起と横突起、腸骨稜、下位の肋骨に起こり、棘筋は上の棘突起、最長筋は上位では乳様突起へ、腸肋筋はその名の通り肋骨に付着しています。

 

 背部に痛みやコリが生じている場合、脊柱起立筋に硬結など何かしらの反応が生じているケースが多いものです。

 

 実際に頸部(首の後ろ側)、肩こり、肩甲間痛、下位背部痛、腰痛などが脊柱起立筋に対する施術で改善する場合もあります。

 

 自分で脊柱起立筋をマッサージしようと、柱の角などに押しつける人がいますがあまりおススメできません。なぜなら、その時は気持ち良くても局所的な強刺激は症状を悪化させてしまうことがあるからです。

 

 とはいえ、どうにもこうにも痛みがつらいようであれば、せめて柱の角ではなく、平らな壁を選び脊柱を丸めて軽く押しあてる程度にとどめておいた方がいいでしょう。

 

 マッサージにおける圧の程度には是非があります。「痛気持ちいい」が効果的だと推奨する人もいれば、否定する施術者もいます。医学的な根拠は私が知る限りでは見つけられません。ただ、私の経験に限って言えば「痛気持ちいい」の翌日にもみかえしの症状を訴える人はいました。

 

 痛いにしても、気持ちいいにしても患者さんの主観なので、術者は技術と経験で調整をする必要があります。

 

 脊柱起立筋に痛みがあると、理想的な姿勢保持は困難になり、他の部位がそれを補おうとする結果、全身のバランスを乱してしまいます。悪化させたり慢性化する前に、鍼治療やマッサージ治療を受ける事をおすすめします。

 

 ついでに、低価格のリラクゼーションもいいですが、医師、鍼灸師、マッサージ師、柔道整復師といった医療関係者による医学的な観点で施術してもらう事をおすすめします。

 

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