コンパートメント症候群を知っておこう

 コンパートメント(compartment)とは「区画」「仕切られてた部屋」などとも訳される通り、筋膜や骨間膜や骨などに仕切られる部位のことで、特に上下肢で仕切られていることが確認できます。

 

 コンパートメント症候群とは、主に外傷の後に腫れたり手足のしびれや痛みなどを生じる症状です。

 

 外傷などによる炎症で腫れたりすると、その区画(コンパートメント)で圧力が高まります。圧が高まると循環不全をもたらし浮腫を促進します。

 

 神経や血管を圧迫して神経や血管を圧迫するためにシビレや痛みの症状にあらわれると考えられています。

 

 細動脈を閉塞するなどでさらなる循環不全を招くことにより当該コンパートメントに阻血が生じると重度になるため、あなどってはいけません。

 

 (下肢の主なコンパートメント)臀部、大腿部(前・後・内)、下腿部(前・後・外)、足背、足底(内・外・中・骨間)

 (上肢の主なコンパートメント)上腕(前・後:上腕二頭筋と上腕三頭筋の間に中隔が位置する)、前腕(前・後:尺骨の後方縁と腕橈骨筋の内側縁に中隔が位置する)

 

 コンパートメント症候群は、端的にいうと炎症にあたるので、急性の場合には炎症の応急処置【RICE : Rest(安静), Ice(冷却), Compression(圧迫), Elevation(挙上)】を思い浮かべるかもしれませんが、Compression(圧迫), Elevation(挙上)は循環不全を助長する可能性があるため、部位や症状の度合いによっては必ずしも良くないという見解もあるようです。

 

 また、急性か慢性かによって治療方針も異なるため、早めに医療機関へ相談した方がいいでしょう。骨折や脱臼でなければ、鍼灸治療やマッサージでも改善効果が期待できる症状でもあります。

 

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