「てこの原理」は小学生の時に習ったと記憶しています。ただ、人体の関節の動きに「てこの原理」が働いているということまでは、医療やスポーツなどに関わる専門的な学習機会がないと意識するものではないでしょう。
てこの原理は、力が加わる「力点」、軸になる「支点」、動きが生じる「作用点」の各々の位置関係によって主に3種に分類されます。
まず最初に、力点と作用点の間に支点が存在するパターンは、肘関節の伸展動作があります。力点になるのは上腕三頭筋、支点は肘関節(肘頭の筋付着部)、作用点は前腕になります。
次に、作用点が支点と力点の間にあるパターンです。これはつま先立ちをする時の足関節の動きに見られます。力点は足の踵(踵骨)に付着するアキレス腱です。支点は中足指節関節。作用点は外踝の少し前の身体の重心線上になります。重心線とは、直立姿勢をバランスよくとるうえで、体のどの部位を重心が通るのが理想とするかを見るひとつの目安にするものです。
最後は支点と作用点の間に力点があるパターンです。肘を曲げる動作にみられます。支点は肘関節になり、力点は上腕二頭筋(前腕付着部)、作用点は前腕になります。
こういった原理が関節の運動に作用しているということを知ると、ちょっとした筋肉痛や関節痛の原因を推察するヒントになることもあります。
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*リライト:2020年2月28日