「病は気から」「気の持ちよう」「気力と体力」その他、気がつく言葉は日常生活で頻繁に登場します。
気とは東洋医学(主に中国医学)における概念であり、物質として目に見えるものではありませんが、あらゆるものに宿っているものと考えられています。
特に私たちが日常的に用いる言葉においては「エネルギー」を意味するととらえると分かりやすいかもしれません。
実際に英語では「vital energy」と訳されることもあります。ただ、専門的になると気のことを中国語で表記する「qi(チー)」となります。
ただ、本来の意味から考えるとエネルギーという表現だけでは十分ではありません。
気が不足すると「体力が落ちる」「食欲がなくなる」「疲れやすくなる」といった症状にあらわれると考えられています。鍼灸治療においても、患者さんの愁訴にこういった症状があった場合には気の減退を疑います。
若かったり体力がある人ならば回復も早いのですが、高齢の方や過労で体力を消耗してしまっていると、なかなかコンディションが元に戻りません。気はそれらの中心的役割を担っています。
東洋医学では、人体において気を生成する中心は脾と胃の運化作用によるものと考えられています。気の作用を正常に働かせるには脾と胃をしっかり作用させなくてはいけません。
なお、気にまつわる症状は「気の不足」だけではなく「気の停滞」もあります。これは気が持つ推動作用が弱まっている事が原因とも考えられます。
上述の通り、気はあらゆるところに存在します。日本でいう「八百万の神」ではありませんが、石や植物にも気は存在します。気分が晴れなかったり、気持ちがなえていて食欲する無い時など、そういったものから気を分けてもらうのもいいかもしれません。
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