「腎」は老いと寿命にかかわる

 2017〜2018年にかけてNHKで放送されたドキュメンタリーシリーズ「人体」をご覧になった人は多いことでしょう。

 

 昨春には上野の博物館で展示会も開催されましたが、連日多くのにぎわいでした。筆者も2回訪れましたが、いずれも平日にもかかわらず大混雑でした。

 

 テレビ放送では「”腎臓”が寿命を決める」という、腎臓にスポットをあてる回がありました。筆者はこれを見た時に、あらためて東洋医学を見直した事を鮮明に覚えています。

 

 東洋医学でいう「腎」は、現代の解剖学でいう「腎臓」のことではないといった、少し分かりづらい事情があることは、これまでにもブログに記載してきました。とりあえず「機能」「生理作用」が似ているという程度で読み進めていただければ幸いです。

 

 放送をご覧になった人の中には「腎臓はそんなに大切な臓器だったんだ!?」と驚いた人も少なくないでしょう。

 

 東洋医学における「腎」は、発育や生殖を司るとされていて、精を蔵するとされています。精とは父母から与えられる「先天の精」と、飲食物から得られる「後天の精」があります。

 

 すなわち、生命そのものの根源とでもいう存在であり、腎の気は一身の気の源とも考えられています。

 

 髪が白くなったり、骨がもろくなったり、耳が遠くなるといったことは高齢者によくみられます。精が少なくなる(腎の機能が低下する)とこういった症状があらわれることを千年以上昔から東洋医学では伝えられているのです。

 

 また、腎は五臓の中で最も下に位置すると考えられていることから、他の臓器を温める役目も担っているとされています。さらに、津液を司るとされていて、摂取した飲食物などから化成された津液を腎に蓄え、必要に応じて各々の臓器に運ばれます。

 

 このように、現代医学的には「尿の生産=不要物の排泄処理場」といった部分が特に注目されますし、実際にそうではあるものの、他の臓器とも連携しあう大切な役割をもになっているのです。

 

 東洋医学の「五行色帯」というものに従うと、腎を養う食べ物として豚肉、野菜では豆の葉、味は塩が良いとされています。いずれも、過剰摂取は禁物です。

 

 現代的に考えると、特に日本人の場合「塩」はどうなのかなあ・・・?と、筆者は疑問を抱きます。

 

【関連リンク】

 女性疾患-不妊治療

ヒント-生活の質の向上

つぼ-ツボ-経穴

社会-話題

心理社会-ストレス