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腰痛の原因、股関節に疑いあり!

 腰痛やぎっくり腰に似た突発的な腰の痛みの原因には、特定出来るものと出来ないものがあります。

 

 鍼治療は腰痛を和らげる効果が期待出来ることで知られています。医師の同意書があれば、保険適用が認められている6疾患のうちの一つです。

 

 それは何を意味しているかというと、現代医療でも痛みを根本的に取り除く方法が確立されていなということなのです。

 

 レントゲンやMRIなどの検査ですら原因がつきとめられないような、原因不明の非特異的腰痛の場合、仙腸関節や股関節を中心に施術をすると痛みが和らぐ場合があります。

 

 明らかに仙腸関節や股関節が原因と考えられる場合には、理学検査としてニュートンやKボンネットやトーマスなどの理学検査がありますが、筆者の経験上これらの検査方法で陽性反応が出ないケースがあるのも特徴です。

 

 反応が出やすい動作確認は”靴下のはき脱ぎ”です。立った状態でも座った状態でもかまいませんが、どの動作の瞬間にどこが痛むかを確認します。

 

 この時に注意するのは、左右の足の動かし方や角度を同じにすることです。なぜなら、特に痛みが慢性的になっていると、無意識のうちに痛みが生じる動きや体勢を回避しようとします。

 

 すなわち、日頃の動作の「痛くない」は、実際には「痛まないような動作が癖づいている」という可能性もあるのです。

 

 ですから、自分で動かすと痛みが生じない、他人の力で同じ動作を補助されると痛みがでることもあるのです。

 

 鍼灸師は画像検査が出来ませんし確定診断もできません。それだけに鍼治療、マッサージにおいては理学検査や問診が治療方針を立てるうえで大変重要な情報になります。

 

 股関節は、わずか一握りほどしかない大きさの部分で体重の半分以上におよぶ重みを支えつつ、起きている間は絶え間なく動いています。

 

 股関節を動かすには大・中・小殿筋、梨状筋、上・下双子筋、内閉鎖筋肉、大腿方形筋、大腿筋膜張筋など、多くの筋肉の作用が欠かせません。

 

 特に筆者の経験上、非特異的腰痛と思われる腰痛において股関節に疑いの目を向ける動作は、股関節の外旋・外転の運動に違和感を抱く患者さんの場合です。

 

 その場合には、大転子周辺の筋肉付着部を施術します。大転子の尖端部には梨状筋、転子窩には上・下双子筋、内閉鎖筋、大転子の背面には大腿方形筋がそれぞれ付着しています。

 

 これら筋肉の主なる作用が外旋です。不思議に思われるかもしれませんが、腰痛なのに股関節まわりの施術で痛みが緩和する場合もあるのです。 

 

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