· 

ツボの紹介・・・肥満に!?

 東洋医学的に考えられる肥満の原因には「気虚」と「痰湿」などがあります。

 

 各々の説明は端折らせていただきますが、簡単に言うと「栄養を摂取できておらずパワー不足」あるいは「身体が重く、だるさや眩暈がする」といった状態です。

 

 肥満というと、とかく「食べ過ぎ」や「運動不足」といったイメージですが、何となく微妙に違いますね。

 

 ここからは筆者独自の解釈になりますが、昔は今の日本のように食べ物に困らない時代とは違うはずです。すなわち、病態としてとらえる肥満の症状や機序が、そもそも違うのではないでしょうか。

 

 もしも客観的な体型だけの観点では、栄養不良によるクワシオルコルが近いのかもしれません。

 

 クワシオルコルは未だに発症原因が完全に解明されていないようですが、脚の浮腫や腹水の貯留による腹部の膨張などの部分的だけを見て、それを「肥満」ととらえていたとしたら・・・。少し無理がある推測でしょうかね。

 

 クワシオルコルの症状のひとつには「食欲不振」もあるそうなので、この点では東洋医学的な考え方と整合性が見られるのは不思議です。

 

 前置きが長くなりましたので、肥満によいとされるツボを紹介します。

 

 まずは、「元気がない肥満状態」では、補気(気を補う)の観点から足三里(あしさんり)、三陰交(さんいんこう)、血海(けっかい)です。

 

 これら3つのツボはいずれも足にあります。足三里は松尾芭蕉の「おくの細道」にも登場するツボで胃を元気にさせるツボとしても知られています。

 

 三陰交は女性疾患には欠かせないことで有名なツボです。血海は文字通り「血」に関わる病態に効果的とされているツボです。血海への刺鍼は内出血をおこしやすいので、筆者ら施術者は刺鍼する場合には事前に確認する必要があります。

 

 続いて、体が重だるく感じて眩暈の症状も出る肥満の場合です。ここでも足三里と三陰交は共通で、それに加えて陰陵泉(いんりょうせん)、豊隆(ほうりゅう)などがあります。これらは痰や湿を除去する働きがある代表的なツボです。

 

 痰や湿とは、ざっくり言うと「余分な水分」あるいは「はけきらない水分」です。本来は、その水分が溜まる場所やねばり方によって呼び方は異なりますが、主に血や津液の代謝やバランスが崩れていることで生じるものです。

 

 肥満気味と感じてダイエットするにしても、栄養はしっかり摂取しないといけません。東洋医学の観点からも上述のツボは、栄養摂取に通じるものが多く含まれているというのも現代的な考え方と一致しているのは不思議なものです。

 

【関連リンク】

つぼ-経穴

頭皮鍼

心理社会-ストレス

ヒント-生活の質の向上

腰痛-肩こり