美容鍼(美顔鍼)を受けられる施術所が今ほど多くなかった頃は、芸能人が自身の顔面部に鍼を刺した画像をSNSに投稿するだけでも話題になっていました。
一時は、「これでもか!」と言わんばかりに顔面を鍼が埋め尽くした画像も散見されましたが、最近は美容鍼が広く認知されてきたためか、画像だけで話題になることはなくなってきたような気がします。
「我こそ日本における美容鍼のパイオニア」という施術者が複数登場している昨今、美容鍼の理論や期待する効果の考え方、それにもとづく手技もいろいろ存在しています。
患者さんは何を基準にして治療院や施術者を選べば良いかというと「実際に受けてみるしかない」が答えではないでしょうか。
筆者が患者として美容鍼(美顔鍼)受けた際の経験にかぎって言えば、宣伝文句やネットのクチコミはあまりあてになりませんでした。
特に複数のスタッフを抱えているお店ともなると、施術者によって技術力に違いがある場合もあります。施術所の代表者が店舗としての治療ルールを設けていたとしても、必ずしも施術者個人の技術力が伴うとは限らないということです。
そうなると、クチコミの内容そのものがあてになるとは限らないことを経験しました。
効果のあらわれ方にしても個人差があるため、美容鍼(美顔鍼)にかぎらず美容整形(外科的手術)にしても、やってみなければ分からない部分は多々あるものです。
世間一般で行われている施術方針や技法にはどのようなものがあるか、一例を紹介します。
【沢山刺す】
とにかく沢山の鍼を刺します。細胞の活性化、創傷治癒などを治療方針の中心にかかげる施術者に多く見られます。用いられる鍼の本数は約50本以上といったところではないでしょうか。
【ツボ(経穴)に刺す】
東洋医学にもとづく「ツボ(経穴)」で刺鍼部を選択します。常用されるツボには頬車、下関、上関、巨髎、地倉、迎香、陽白、睛明、太陽、印堂、顴髎、瞳子髎、承漿などがあります。複数のスタッフを抱えていたり、治療院の店舗展開をする施術所にて、施術方針とレベルの均一性を保つ事を目的にする場合もあります。鍼の本数は20~30本前後の施術所が多いです。なお、代表者の施術をリクエストする場合には、指名料がかかることもあります。
【低周波鍼通電】
顔に刺した鍼に低周波の電気的刺激をあたえるものです。電流独特の刺激は好みが分かれると思います。顔面部への電気刺激については、いくつかの注意点があるため、施術者と患者の両者におけるインフォームドコンセントが大切です。
【リラクゼーション系】
鍼施術に加えて「台座灸」「アロマテラピー」「頭皮や上下肢のマッサージ」「デコルテやフェイシャルのマッサージ」「ローラー鍼や翡翠ローラーなどの器具によるマッサージ」などの施術を受けられます。
【例外】
施術者が患者さんの口の中に指を入れてマッサージ → 実施している施術者の講演とデモンストレーションを見ただけで、筆者が経験していないため、期待する効果についてのコメントができません。なお、筆者の治療院でも取り入れていません。
どのような施術であっても継続することがポイントです。それは外科的手術やサプリメントも他ではありません。また、人によって向き不向きがあるため、「〇〇は良い(悪い)」といった評判は参考程度と考えた方がいいです。例えば、同じ刺激であっても、人によっては強く感じ、別の人には弱く感じたりするのと同じことです。
継続的に鍼治療を美肌メンテナンスのメニューに取り入れようと考えている人でしたら、なおさら色々な施術を経験されることをおすすめします。
【関連リンク】
・美容鍼
・頭皮鍼
*リライト:2020年2月14日、2022年9月30日