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腰痛,ぎっくり腰・・・今の常識と鍼灸治療

 腰痛やぎっくり腰に見舞われたら「痛みが和らぐまでは安静にする」と言われていましたが、今は「ある程度動かせるようになったら、無理のない程度に積極的に運動をした方がよい」と考えられています。

  

 腰痛体操のなかには、腰を前方向へ曲げる動き(股関節屈曲)または腰を後方へ反る方法があります。どちらにするかは症状や推察する原因によってちがうため、逆のことをすると悪化させてしまう可能性もあるので気をつけないといけません(指導を受けることをおすすめします)。

 

 さらに、冷やした方が良いか、暖めた方が良いかについてですが、かつては「急性は冷やし、それ以外は温める」とも言われていたようですが、最近では「気持ちが良い方で、どちらでも良い」という医師もいるそうです。

 

 ただし、外傷により明らかな炎症が確認できるようであれば、応急処置の代表的なセオリー「RICE」(RはRest(安静)、IはIcing(冷却)、Compression(圧迫)、Elevation(上方にあげる))に従うべきでしょう。

  

 腰痛,ぎっくり腰を長引かせている原因のひとつには「恐怖回避思考(行動)」なるものがあるとされています。それは、腰痛に対するネガティブなイメージが強いと、不安感や恐怖感が警戒心を強め、自ら運動制限をかけたり精神的にストレスを感じるようになってしまうというものです。

 

 その結果、痛みの感受性を過剰なものにするといった、負のスパイラルに陥ると考えられています。特に高齢者になると、フレイル(虚弱)、サルコペニア(骨格筋量、骨格筋力の低下)、ロコモティブシンドローム(運動器症候群)を招きやすくなるのではないかと唱える医師もいます。

 

 解剖・生理などを学問の基礎とする西洋医学(現代医療)は、すべてが科学的根拠に裏付けられた完璧なものという認識を抱いている人が多いのですが、科学と医学の技術進歩にともなって、既存の常識が覆されることも珍しくありません。

 

 東洋医学を基礎にする鍼灸治療は、科学的根拠という観点では解明されていないことが多いものの、2000年以上にわたって受け継がれてきた歴史があります。すなわち「まやかし」であったならば、どこかのタイミングで淘汰されていたはずではないかと筆者は考えます。その鍼灸治療においても効果が期待できる代表的な症状に腰痛があります。

 

 鍼灸治療で期待する効果のなかでも血行促進、筋緊張緩和、痛みの抑制などが代表的です。

 

 医師の診断を受けても原因が特定できなかったり、なかなか緩解しない腰痛、突発的な腰の痛みやぎっくり腰に、鍼灸治療を試してみる価値はあると筆者は考えています。

 

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*リライト:2020年3月20日