膝関節痛・・・東洋医学的考察

 膝関節の痛みには骨、筋肉、靭帯、半月板など、さまざまな原因が考えられる。

 

 膝関節の動きに関わる筋肉には大腿四頭筋、ハムストリングス,膝窩筋、縫工筋、薄筋、腓腹筋などがある。靭帯では内側側副靭帯、外側側副靭帯、前十字靭帯、後十字靭帯、腸脛靭帯、そして半月板(内側、外側)がある。

 

 痛みを誘発する要因としては大腿骨、脛骨、膝蓋骨の硬化による軟骨下骨の変性、関節の縁にできる骨棘、滑膜の増殖(繊維化)、炎症をおこしやすくする関節包の肥大、大腿骨と脛骨の間に生じる圧の分散と、関節の弾力性を高めて関節の滑りを補助する半月板の退行性変性(広義で骨関節炎に含まれる)などがある。

 

 靭帯の断裂や半月板の損傷など、痛めている様子が明らかなものを除けば、膝の痛みはいくつかの要因が複雑に絡み合って生じることもあり、特に高齢者や肥満者に生じることが多く、変形性膝関節症と診断されることがある。

 

 解剖学的や病理学的な観点でさまざまな原因があると同様に、東洋医学的にも捉え方はいろいろある。

 

 五臓に病因の疑いがあるという観点では骨が原因ならば腎、腱または筋膜であれば肝、皮下組織や軟部組織ならば脾が考えられる。

 

 経脈に問題があるととらえれば、足の厥陰肝経または足の太陰脾経が疑われる。

 

 また、痹証(ひしょう)という捉え方もできる。痹証とは主に風・湿・寒という「邪」が身体の経絡に入り込み、四肢の筋・骨・関節で気血の流れを阻害することが原因で生じる痛みのことである。さらに痹は風が原因の行痹、寒が原因の痛痹、湿が原因の著痹に分類される。

 

 このようにしてみると、膝が痛む季節や環境に合致するところが不思議だ。

 

 痛み方の確認で大切なのは「どの部分が痛むか」「どのような動きで痛むか」である。骨や筋肉や靭帯などが複雑に絡み合う一方で、場所や痛み方に特徴があらわれやすいわけでもあるのだ。

 

 治療対象にするツボは比較的決まっている。

 

 肝経に疑いがあれば膝関(しつかん)、曲泉(きょくせん)

 脾に疑いがあれば太白(たいはく)、陰陵泉(いんりょうせん)、血海(けっかい)

 腎に疑いがあれば太渓(たいけい)、陰谷(いんこく)

 胃に疑いがあれば梁丘(りょうきゅう)、伏兔(ふくと)

 膀胱に疑いがあれば腎兪(じんゆ)、委陽(いよう)、合陽(ごうよう)

 胆経に疑いがあれば陽陵泉(ようりょうせん)、懸鐘(けんしょう)、居髎(きょりょう)

 任脈に疑いがあれば関元(かんげん)

 

 原因もさまざまだから、ツボも当然のことながらいろいろあるわけだ。

 

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