不妊の原因が女性だけにあるものではないことは、今や周知のことです。
しかし、男性側に約半分近くもの不妊原因があるという調査報告があることまではあまり知られていないかもしれません。すなわち、不妊の原因は男性・女性の双方に同程度の可能性があり得るということになります。
男性側に原因があるとみられる障害には性機能障害、造精機能障害、精路通過障害などが特に知られています。
さらに、性機能障害のなかでも勃起不全(ED)はよく耳にしますが、男性の不妊原因で多いのは造精機能障害と言われていますが、その原因は未だすべて解明されているわけではないとされています。
造精機能障害とは精液の量、精子の数、精子運動率、運動精子数、他すべてにおいて低い傾向にある状態で、参考値も設けられています。
精液はただ多ければ良いというものではありません。精子の数も少ないよりかは多い方が良いとはいえ、「元気で活動性が高い精子」というふうに、総合的な評価が求められるそうです。
男性に不妊の原因が疑われた場合、精子の検査や治療を受ける際の代表的な医療科は泌尿器科と言われています。また、男性と女性を問わずに総合的に診察を行う医療機関もあります。
不妊の原因が男性側にあるか女性側にあるかによって、治療方針や対策が変わってくるとは言っても、結局は男性と女性が協力しあってものであり、「私だけ」「貴方だけ」というものではありません。
男性の不妊治療と妊活において、鍼治療や灸治療によってどのような効果が期待できるかというと、全身のバランスを整えたり、ストレス軽減、リラックス効果、血液循環の改善などが中心になります。
特にED(勃起不全)でも機能性勃起障害に該当する場合には、心理的要因が潜んでいる事も考えられるため、心身のメンテナンスは大切になってきます。
不妊治療は複雑かつ高度なものでありデリケートなことで、特に器質的原因の多くは鍼灸師が治療できるものではないと筆者は考えています。
不妊治療と妊活は、必ずしもすぐに結果が現れるものではないと言われています。それだけに、医師による不妊治療と並行して鍼灸治療やマッサージ治療も組み合わせてみるのも一つではないかと筆者は考えます。
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*リライト:2020年3月17日