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美容鍼と顔面神経麻痺、顔面の低周波刺激を考える

 顔面部への鍼治療には美容鍼・美顔鍼、顔面神経麻痺、鼻水、鼻づまり、アレルギー性鼻炎、眼精疲労ほかいろいろあります。

 

 その中でも美容鍼・美顔鍼、顔面神経麻痺の治療では電気による低周波鍼通電(パルス)が用いられることがあります。

 

 顔面神経麻痺の治療のひとつに、表情筋を積極的に動かすというものでありますが、「電気刺激による筋運動」の是非については見解が分かれるようです。

 

 美容鍼・美容鍼の術式においても、電気刺激が血行促進やリフトアップに効果的であるということで、低周波鍼通電を施術に取り入れる治療院や鍼師が存在します。

 

 ”副作用”のひとつに”神経の混線(迷入再生)”のリスクが生じるという見解があるそうです。

 

 医療には副作用のリスクが常に伴うものです。ただ、その副作用が一時的なものか否かは大きな違いです。

 

 また、電気刺激(パルス)を用いる場合の鍼の太さについてです。ただしこれは、先述のリスクに直接関係することではありません。

 

 最近の鍼はステンレス製の使い捨てが主流で、鍼が細くても強度や接合の技術は優れているため「安心・安全」です。そして、患者さんへの痛みの負担を抑えるために、より細い鍼が用いられる傾向があります。

 

 これ自体に問題はなく、患者さんにとっても低刺激になればなるほど心地よく施術を受けられやすくなるので歓迎すべきことでしょう。ただし、細い鍼に電気刺激(パルス)をするとなると、事情が少々変わってきます。

 

 物理的に考えても同じ材質と製法であれば、太さは細い方が曲がったり折れやすくなるものです。

 

 低周波鍼通電治療器のメーカーによっては、鍼が折れたりするリスクを軽減するために、使用する鍼の太さは「〇〇mm以上を推奨」なる注意書きもしていますが、それよりも細い鍼を使用する治療院や鍼師が今なおいます。

 

 ただ、施術方法としては法律で禁じられていることではないので「施術者と患者さんの双方が、期待する効果とリスクを理解していればよい」という、インフォームドコンセントさえしっかりしていれば問題ないという考えもあります。

 

 

 顔面部以外で、低周波鍼通電(パルス)療法が効果的であるとされている症状はいくつもあります。その中には科学的に検証されているものもあります。

 

 ですから筆者も、顔面部を除けば低周波鍼通電(パルス)療法を積極的に活用する施術者のひとりです。

 

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*リライト:2020年2月8日