マッサージとリラク・・・どっちにする!?

 マッサージの歴史は古く、古代ギリシアにまでさかのぼるとも言われています。

 

 日本には、明治時代に先進諸国の医学研究のために派遣された陸軍軍医部の軍医官を通じて紹介され、広島県の病院で「医療あん摩術」として活用されたのが「医療マッサージ」のはじめとされています(参考:公益社団法人 東洋療法学校協会編「あん摩マッサージ指圧理論」)。

 

 その後、日本独自のマッサージ手技が開発され、医療界に普及したとのことですが、当初は「医療技術のマッサージ」と「保険技術のあん摩」とに区別された免許資格だったそうです(現在は「あん摩マッサージ指圧師」として、一つの国家資格として扱われています)。

 

 巷には「足つぼマッサージ」「○○式マッサージ」「手もみ」「もみほぐし」といった看板を掲げたお店が沢山あり、”マッサージ”は医療というよりも、身近で安価に受けられる”リラクゼーションサービス”というイメージを持つ人が増えています。

 

 マッサージという表記・表現についてですが、あん摩マッサージ指圧師の国家資格を有していなければ、”マッサージ”の文字だけを看板や広告に使用することは好ましくないとされています。まして、治療行為として行ってはいけないことになっています。

 

 しかし、”マッサージ”の文字の前に「足つぼ」とか「○○式」などの文字が付いているのは許されています。すなわち、巷にある「60分2,980円」などの”マッサージ類似行為店”や整体のお店には、国家資格であるマッサージ師の免許を持たない施術者がいることも珍しくありません。

 

 では現実的に、医療行為とリラクゼーションでは、手技としては何が違うかというと・・・受けている人には区別がつかないでしょう。

 

 ただ、お客さんの目的が”癒し”であれば、巷のリラクゼーション指向のお店でも構いませんが、”治療”が目的であれば、マッサージ師の国家資格を有している施術者がいる、当院のような治療院で施術を受けることをおすすめします。

 

 治療目的とはどういう症状かというと、「病院や接骨院に行っても良くならない痛み」「通院して理学療法を受けているが、あまり改善しない」などが一例です。

 

 リラクゼーション目的とは、「疲れているから癒されたい」程度の状態です。

 

 なお、マッサージ師は治療とリラクゼーションのいずれにも対応できるものです。

 

 技術だけでいえば、国家資格を持っていようが持ってなかろうが、それが優劣の判断材料にはなり得ません。患者さんが受ける感覚的な印象には個人差が大きいからです。また、治療としてのマッサージの場合、症状によっては患者さんの要望(強く押して欲しいなど)に応じないことがあります。理由のひとつには、医学的な観点で症状を悪化させてしまう可能性が考えられる場合などです。

 

 ついでに、筆者のようなマッサージの国家資格者に施術を受けるメリットとして「セカンドオピニオン」もあげられます。確定診断はできませんが、医療的な観点で助言をするのは我々の業でもあるので、現在通っている施術所(病院、接骨院、整体など)の治療方針などについて相談することができます。

 

 目的にあった施術所を選ばないと、症状を悪化させてしまうリスクが高まることも念頭にいれて、マッサージだけならば病院の理学療法室、整体、接骨院、もみほぐし、マッサージ治療院のいずれにするか使い分けた方がいいのではないかと筆者は考えます。

 

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*リライト:2020年3月25日